HACCPというのは食品の安全性を確保するために必要とされる手順、原則のことで、日本語ではハサップと呼ばれることが多いようです。
食品は、製造時に細心の注意を怠ると、例えば細菌の繁殖などにより食中毒を起こし、場合によっては命に関わるようなこともあります。このようなことを防ぐための原則が記載されているのがHACCPであり、例えば冷凍食品や缶詰などの加工品を製造する際にはほぼ必須と考えられる手順となっています。
また、HACCPの考え方そのものは製造時だけではなく流通時や小売り販売時でも同様に当てはまると考えられることから、製造業だけでなく流通業や小売業であってもこの考え方を適用することが求められているケースもあります。HACCPの基本的な考え方としては、まずその食品の製造工程を一つ一つ分解し、どこで注意が必要なのかを特定することから始まります。
例えば原料を混ぜるときに空気中の異物、カビや雑菌が混入するかもしれないというようにです。そして、起こりうるリスクを取り除くためにはどうすれば良いのかを科学的に検討します。例えば、混入すると考えられるレベルの雑菌を間違いなく殺菌するためには後工程で80度、10分加熱すれば良いというようにです。この2点がしっかりしていれば後は簡単です。検討されたとおりの対処方法を実行し、そして間違いなく実行されたことを記録して後からの検証に耐えられるようにするということになります。